健康ひろば
人間の成長、メンタル、健康に大切なスキンシップ 人との接触がタブー視される中で、人間が失っていくもの

新型コロナウィルスの感染拡大で、多くの挨拶がNGとされています。
☑両手を広げ久々の再会を喜び抱き合うハグ。
☑待ちわびた子供たちの帰りを出迎えて喜ぶハグ。
☑仕事の成功を願い仲間たちとしっかりと固める握手。
こんな光景を久しく見ていませんね。
今回の新型コロナウィルス感染防止に伴い、意外とダメージがあったのが、こういったスキンシップを規制されたことではないでしょうか?
スキンシップにはいろいろな意味が含まれます。もちろん、セクハラ行為のスキンシップは言語道断、あってはならないことですが、肌と肌が触れ合うという意味においては、人間は、乳児の頃からすでにスキンシップを学んでいるんです。乳児は生きるために自ら何かをすることができません。誰かに世話をしてもらうことで人間らしく成長していくのです。この成長過程において「人に世話をされること」=「人に接触されること、触れられること、抱かれること」が非常に大切なポイントになってくるのだそうです。
スキンシップされると、ストレスホルモンで知られるコルチゾールのレベルが低下し、リラックス状態になります。そして、ご存知の通りの愛情ホルモン「オキシトシン」の分泌が増えるのです。人は触れられることで、幸せを感じ、乳児においては人に触れられている場合に、人の顔を認識、学習するなど、刺激的学習が可能になるそうです。生後12か月の子供は、人からの触られ方で物事を認識していて、「今は遊ぶ時間だ」とか「今は本を読む時間だ」など、触ることが「言葉」として機能していると言われています。
1990年代、ルーマニアの児童養護施設で、数年間人に触れられることのなかった子供たちがその後どのような発育をしたかという研究結果が発表されました。
彼らは認知や行動、脳の発達においても通常と違い、問題が生じたと報告されています。また、人との接触(社会的接触)が少ない人は、それが多い人と比べ早死にのリスクが高いことも研究で分かっています。孤独はダメなんですね。
スキンシップは人間の成長過程において、非常に大切な役割をしています。今回の新型コロナウィルスのパンデミックでは、病原菌の恐ろしさがクローズアップされていますが、感染防止や抑制のため、他人とのスキンシップが規制されたことが、人のメンタルや健康に多大な影響を及ぼしているとも言われています。今年、自殺者の増加が問題視されていますが、こうした要因もあるのではないでしょうか?人間が人間として暮らしていく上で、必要なことがこのスキンシップにたくさん詰まっている気がします。人間らしくいるために、早く新型コロナウィルスが収束し、大切な人たちとスキンシップやハグができることを願ってやみません。
出典元:https://gigazine.net/news/20201028-touch/