健康ひろば
減量に役立つ3つの脂肪の役割について

ダイエットは摂取する脂肪の良し悪し
食物の中でグラム単位あたりカロリーが高いのは脂肪分で、この摂取をいかに減らすかも重要になってきます。
ですが、脂肪と言っても全てが悪いものでもなく中にはカロリーを消費させるものもあります。
「スタンフォード大学 生物化学講師 トラスト・ディア」は
減量を行う前に脂肪の種類と役割について理解すると減量の助けになると解説しています。
あなたの脂肪には太りやすい脂肪と痩せやすい脂肪

脂肪には2種類があります。
1.蓄積しすぎると体に悪い脂肪
2.カロリーを燃焼させる熱を作り出す脂肪
近年の研究では「良い脂肪」の割合が多い人は、カロリー燃焼をしやすい事が分かっています。
身体の脂肪には3種類あります。

減量を行う前に脂肪の「化学的背景」と、どうすれば「別のタイプの脂肪に変わるか」の理解が減量の助けになると述べています。
《3種類の脂肪(色別)》
1.白色・脂肪組織
2.褐色・脂肪組織
3.ベージュ・脂肪組織
これらの「白色脂肪組織」「褐色脂肪組織」「ベージュ脂肪組織」も簡単に説明しますと、
《白色脂肪組織》
・主に結合組織として、皮下脂肪や内臓脂肪に含まれる。
*一般的な肥満に関連付けられる脂肪。
・摂取すると「グルコース」という過剰なエネルギーを「脂肪滴(構成要素)」に変換します。
これは「トリアシルグリセロール」という分子。
このプロセスにより食欲やエネルギーバランスが制御されることになります。
《褐色脂肪組織》
・新生児が保有し、成長と共に消滅する。
と考えられてきたが2016年の研究により、褐色脂肪細胞も存在し続けるとされています。
・減量に役立ち、肥満等に関係する疾患リスクの軽減。
・肩甲骨・首・背骨・鎖骨の間に存在しますが、生命維持に必要な器官の周りにも存在。
*2013年の研究からは上記に加え、「ベージュ」の脂肪の存在も報告された。
《ベージュ脂肪組織》
・褐色脂肪細胞のような働きをするが、白色脂肪細胞と同じ場所に存在する。
・寒冷環境などにおいて「白色脂肪細胞」から「褐変」という過程を経て脂肪消費(熱)が生み出される。
*女性11℃、男性9℃と言われている。
*良好な栄養や運動などの他の刺激でも「褐変」過程を促進すると考えられています。
つまり、褐色脂肪細胞が多ければ痩せやすい体になると言う事です。
それぞれの脂肪の見た目及び性質
《白色脂肪細胞》
・1つの大きな「構成要素」である丸い細胞。
・飢餓などでエネルギーが必要になった時に脂肪酸に変換される。
・脂肪酸は脂肪が連なったものっで血液に吸収される。
《褐色細胞》
・白色脂肪細胞よりも比較的に小さい。
・1つの細胞に複数の「構成要素」が存在する。
・エネルギーを生成するミトコンドリアを多く含む。
・ミトコンドリアは鉄が豊富であるため、酸素に触れると茶色く変色する。
《ベージュ組織》
・元々は白色組織から「体温低下時にエネルギーを生み出す」。
・見た目は白色脂肪組織と褐色脂肪組織の中間。
脂肪の種類を変えるには?
それでは、褐色脂肪細胞を増やすにはどうしたら良いのか。
・寒冷環境、あるいは特定のタンパク質の存在によって白色脂肪組織が褐色脂肪組織に変わる。
・「脂肪の存在する場所」と「トリガー」という条件がそろえば白色脂肪組織に限らず脂肪は褐色脂肪細胞に変わることが示されています。(2015年の研究より)
脂肪が別の種類の脂肪に変わる方法は、以下の2つになります。
・「分化転換」と呼ばれる遺伝子を介したプロセスを経る。
・細胞がそれを構成している組織の特徴を失い(脱分化)、遺伝子が再プログラミングされる(細胞分化)。
*後者は人為的に起こすこともできますが、自然発生することもあるとのこと。
具体的に褐色脂肪細胞を増やすには?
・野菜や果物に含まれるフラボノイド、レスベラトロール、クェルセチンといった栄養素が助けになるほか、運動も褐変の速度を上げるといわれています。
・低温下に身を置くことも役立ちますが、これには定期的に繰り返すことが必要だそうです。
褐色脂肪組織は低体温のリスクを減らして、インスリンの感受性を上げて糖尿病のリスクを減らしてくれることも研究で示されています。
運動を行うことのほか、野菜や果物を食べることで白色脂肪組織を褐変させ、ベージュの脂肪組織に変えることで、健康状態を改善させる可能性があると考えられています。
《参考》
・Brown, white and beige: understanding your body's different fat cells could help with weight loss
・「冷水シャワー」が病気を減らすとの研究結果(減量、メンタルヘルス改善)
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