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喘息治療薬(ブデソニド)がコロナ患者の回復早める-英オックスフォード大が臨床試験

喘息治療薬(ブデソニド)がコロナ患者の回復早める-英オックスフォード大が臨床試験

英オックスフォード大学は、新型コロナウイルス感染症に対する気管支喘息の吸入薬(ブデソニド)の治療効果を確かめようと、同国の50歳以上の感染者1,700人以上を対象に臨床試験を実施した。

その中間報告において、 吸入薬(ブデソニド)を使用した人達は、使用しなかった人達よりも 短期間で新型コロナから回復したことが発表された。

◆吸入薬ブデソニド)使用者はコロナ感染からの回復が早い

 喘息治療薬はさまざまなものがあるが、本試験では吸入ステロイドの「ブデソニド」を使用した。
  * ブデソニドは「アストラゼネカ」が製造・販売している「ジムビコート」の成分である。

▶発表の概要

《参加した感染者》

・併存疾患のある50歳以上

・感染前に健康には問題がなかった65歳以上

《比較試験:対象1,779人》
以下の2つのグループにて比較を行った

・751人がブデソニドを1日2回、2週間にわたって吸引

・1,028人は解熱鎮痛薬を飲むなど通常ケアのみ

《結果》

ブデソニドの使用者の方が回復まで3日短かった。(通常ケアよりも優れている可能性が高い)

ブデソニドの使用群の「32%」が2週間以内に回復したのに対し、通常ケア群では「22%」だった。

また、入院した割合に関しても差が見られた。

 ・ブデソニド使用群は8.5%

 ・通常ケア群では10.3%

通常ケア群がの入院率が多少高かった。

《プライマリケア健康科学部クリス・バトラー教授コメント》

ブデソニドでは、比較的安価で広く一般に行き渡っている薬により、新型コロナウイルスの重症のリスクが高い人が副作用をほとんど起こさずにより早く回復し、回復後もよい状態を保ち、健康を改善するのに役立つというエビデンスを発見しました。地域で新型コロナウイル感染者をケアしている世界中の医師たちに、治療を決定する際にこのエビデンス(パルミコートを使うこと)を検討していただきたいです」




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