健康ひろば

女性に知って欲しいピルのこと

女性に知って欲しいピルのこと

避妊をする場合コンドームだけでは不安な時がありますよね?
そんな時に使用できるのが経口避妊薬のピルです。
実はピルと言っても1つだけではなく、用途によって様々な種類があるのですが、その中でも今回知ってもらいたいのが低用量ピルです。

また、低用量ピルの中でもトリキュラーやマーベロンなど複数の種類がありますが
今回は複数種類ある中でもノベロンというピルについて説明していきます。
ノベロンとはマーベロンのジェネリック医薬品にあたるもので、マーベロンと同様の効果を持っているピルです。

それでは低用量ピルとは何か、コンドームと比べた場合の避妊効果など見ていきましょう。



目次
1. 低容量ピルって何?
2. コンドームだけで避妊できない理由とは?
3.避妊以外に低用量ピルのメリットはあるの?
4.低用量ピルに副作用は?
5.医師に相談する必要性は?
6.低用量ピルについてのまとめ




1.)低用量ピルって何?
ピルとはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を配合した飲み薬のことです。
この2つはどちらも女性ホルモンで、国内で使われる経口避妊薬は低容量タイプが一般的ですね。排卵を抑えたり、精子の侵入を防いだりすることで避妊効果をもたらしてくれます。

ノベロンにはデソゲストレルとエチニルエストラジオールと呼ばれる有効成分が入っており、それぞれ卵胞ホルモンと黄体ホルモンの役割を果たすため、避妊効果が得られます。
排卵を抑えるのはもちろん、排卵・受精が起きた場合にも着床しにくくしてくれるのです。また、精子の侵入を防ぐ効果もあるため避妊効果が期待できますね。



2.)コンドームだけで避妊できない理由とは?
最初に知っておいてほしいのが、コンドームだけでは確度の高い避妊はできないということです。
パール指数という避妊効果の目安があるのですが、コンドームのパール指数は最大18にもなります。これは年間で18%の女性が妊娠することを意味しています。
では、なぜコンドームの妊娠率が高いのでしょうか?それはコンドームを正しく使えていない方が多いためです。

コンドームは入手も簡単で、使用頻度が高い避妊器具ですが、正しい使い方を習う機会は非常に少ないのが現状です。
知っていても失敗しないとは言い切れないため、注意が必要と言えるでしょう。
そのためコンドームだけの避妊では妊娠する確率が高くなってしまいますが、正しく使用すれば、妊娠する確率は2%まで下がるとのことです。

次に低用量ピルのパール指数ですが、こちらは0.3%とかなり低めです。
ピル以上の効果が期待できるものに子宮内避妊器具や男性不妊手術がありますが、費用や手間がかかるため、コンドームやピルに比べると、実行するには少し難易度が高いかもしれません。

またピルも飲み忘れや体調不良があると、避妊効果は落ちますので注意が必要です。



3.)避妊以外に低用量ピルのメリットはあるの?
実は低用量ピルは避妊以外にも期待できるプラスの効果があります。
それはPMSを始めとした様々な体調不良・病気の改善が期待でき、低用量ピルを飲むことで、女性ホルモンの量が一定になるためです。

女性ホルモンは成長や月経、日々の生活の中で変動します。
低用量ピルには女性ホルモンの量を一定に保つ効果があるため、女性ホルモンの変動をなくしてあげることで、様々な症状の改善に繋がるのです。
ただし、低用量ピルはある程度の期間内、飲み続けないと効果が出ません。
PMSなら3ヶ月程度が目安となるため、気になる場合は医師に相談してみましょう。

PMS(月経前症候群)
PMSの主な原因は卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下するためと言われています。そのためホルモンバランスが崩れることで神経や脳内に影響が現れるというしくみです。
先述したように、低用量ピルは女性ホルモンの変動をなくすため改善が期待できます。

・生理や子宮に関する症状
低用量ピルによってホルモンバランスが整うため生理周期の改善に期待が持てます。生理痛も女性ホルモンの変動が原因のため、痛みを軽減できます。
他にも子宮内膜症の治療や予防にも効果が期待できますね。

・卵巣がん・子宮体がんのリスクの低下
低用量ピルには卵巣がんや子宮体がんの予防効果も期待できます。
女性特有のがんであるこの2つの病気には、エストロゲンが関連しているため、長期間服用するほど予防効果は高まっていきます。
また、服用をやめた後でも予防効果は持続するようです。どちらのがんに対しても、1年以上使用すると発症リスクが低下するとの報告があります。

・にきび・肌荒れ
生理前後に肌荒れが起きやすい理由も女性ホルモンの変動があげられます。
そのため低用量ピルでホルモンバランスを整えることで、肌荒れの改善に繋がるということです。
中でもマーベロンはトリキュラーに比べると、肌荒れやにきびの改善に高い効果が期待できます。
ジェネリック医薬品のノベロンも同じ効果を持つため、生理前後の肌荒れが気になる方は一度医師と一緒に確認してみましょう。


4.)低用量ピルに副作用は?
メリットに続いて副作用などのデメリットについても見てみましょう。
ピルも薬の一種のため副作用が出る可能性はあり、特に飲み始めの12ヶ月は体が薬に慣れていない時に見られるかもしれません。

12ヶ月頃に出やすい副作用
軽い吐き気、乳房の張り、頭痛、生理以外の出血が初期に出る主な副作用で、吐き気などの症状はPMSと似ています。
生理以外の出血である不正出血も、服用された方の約20%に確認されているケースもありますが、出血が止まらないなど、症状が気になる場合は医師の相談が必要となってきます。

・注意すべき症状
多くの方に見られる症状の他に、注意すべきいくつかの症状があります。
それが足の痛み、腫れ、しびれ、発赤、ほてり、強い頭痛や吐き気を含む不快感です。
これらの症状が出た場合は、薬が体に合っていないか、血栓症などの病気の可能性があるため、服用を止めて必ず医師に相談しましょう。

・その他副作用について
可能性は低いのですが、血栓症が発症する可能性があります。

血栓症とは血管内に血のかたまりができ、それが原因で血管が詰まる病気です。
血栓症の原因は低用量ピルだけではなく、年齢が原因で発症リスクが変化する上、年齢が40代以上になると血栓症のリスクも上がるため服用には注意が必要となってきます。
年齢のみならず、普段の生活習慣や喫煙や肥満によってもリスクが高くなるため、生活習慣を整えることも重要になってきます。

逆に長期間飲み続けても副作用のリスクは高まることはありません。

またピルを飲むと太りやすくなるというケースに関して、以前の薬では太ることもあったそうですが、低用量ピルに体重を増加させる効果はありません。
ただし、むくみなどの副作用は確認されているため一時的に体重が増加する可能性はありますが、これは一時的なもので、体が慣れれば解決することも多いそうです。
とはいえ、女性一人ひとりの身体には個人差がありますので、気になる不具合が見られた場合は医師に相談しましょう。


5.)医師に相談する必要性は?
これまで見ていただいたように低用量ピルにも少なからずリスクはあり、年齢や生活習慣によっても大きく変わるため、気になる場合は事前に相談する方が良いという点がわかってきました。

自分に合う病院を探すのは意外と簡単ではありません。
妊娠したり、体調が悪くなったりされた後では病院を探すのも難しくなるため、できればピルを服用する前に、信頼できる病院を見つけましょう。


6.)低用量ピルについてのまとめ
今回はノベロンを例に低用量ピルのメリット・デメリットを挙げました。
ノベロンはジェネリック医薬品のため安価で手に入りますが、それだけで決めて良いわけでないことが分かりましたね。

低用量ピルの避妊効果は高いですが、医薬品のためそれなりにリスクもあります。
ピルは薬であるということをしっかり認識したうえで、
正しく使っていきましょう。

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