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ノロウイルスにニタゾキサニドは使い方

ノロウイルスにニタゾキサニドは使い方

商品名ニゾニドで知られているニタゾキサニドは一般的なウィルスに使用できるだけでなく、新型コロナにも効果があるとして知れています。

感染性胃腸炎は下痢・嘔吐が伴うことがあるため、できるだけ予防に努めたいですよね。
一般的に感染性胃腸炎は、ウイルス・細菌・寄生虫が原因で引き起こされます。ウイルスが原因となる場合がもっとも多く、ロタウイルス・ノロウイルスが大部分を占めています。

とくにノロウイルスは長期免疫が成立しないため何度もかかる恐れがあり、脱水症状を引き起こしやすい乳幼児や高齢者は注意が必要です。そんな冬場の主役・ノロウイルス。特徴や予防法、治療効果が期待できる薬までご紹介します。

ポイント1:冬の主役・ノロウイルス。流行りやすい時期はいつなのか。
ポイント2:ノロウイルスにかかる年齢や状況(条件)
ポイント3:ノロウイルスの感染経路
ポイント4:ノロウイルスを予防するには
ポイント5:ノロウイルスとはどんなウイルス?
ポイント6:ニタゾキサニドはノロウイルスの治療に使用できるのか
ポイント7:そもそもニタゾキサニドとは
ポイント8:ニタゾキサニドの入手方法


ポイント1:冬の主役・ノロウイルス。流行りやすい時期はいつなのか。
ノロウイルスは年間を通して発症しますが、とくに多いのが12月~2月です。冬場は気温も湿度も下がるため、ウイルス自身の感染力が高くなるのです。「気温4℃の環境下であれば、8週間もの長期にわたって生存が可能」だという報告があります。また冬場に食べられる牡蠣もノロウイルスを発症する原因の一つです。十分な加熱をせずに食べると胃腸炎症状を引き起こすことがあります。自治体によっては、流行期に感染者が多くなると「感染性胃腸炎警報」が出されることがあるほどです。


ポイント2:ノロウイルスにかかる年齢や状況(条件)
ノロウイルスは乳幼児から高齢者まで、年齢に関わらず発症します。
体内に取り込まれたノロウイルスは小腸の上皮細胞で増殖するため、腹痛・嘔吐・下痢などの胃腸炎症状がみられますが2~3日で収まり、多くの場合は後遺症もなく軽症で回復します。しかし乳幼児や高齢者が発症すると、脱水症状を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。
普段から意識的に水分を摂取させ、喉や気管支にウイルスが付着しない環境を作りを徹底しましょう。



ポイント3:ノロウイルスの感染経路
ノロウイルスの感染経路は大きく分けて以下の2つです。
ノロウイルスが付着した食材や井戸水から引き起こされる食中毒。
ノロウイルス感染者の糞便や吐物からの二次感染。
ノロウイルスは85~90℃の熱で90秒以上加熱すれば死滅しますので、生食は避けて加熱をしましょう。
また調理器具を介しての感染も確認されていることから、85℃、1分以上の熱湯消毒が効果的です。
ノロウイルスは10個~100個という少量でも感染するため、空気中を漂ったウィルスが口から侵入する可能性があります。
感染者の糞便や吐物を処理する場合には、「素早く、適切に」処理しましょう。



ポイント4:ノロウイルスを予防するには
ノロウイルスを予防するためには、石鹸を用いた手洗いがもっとも効果的です。現状ではノロウイルスに対するワクチンは試験段階で、実用化はされていません。石鹸自体にウイルス除菌効果はありませんが、手指から汚れを落としやすくする効果があります。食事や調理前、トイレやオムツ交換後、外出から帰った際には欠かさず手を洗う習慣をつけましょう。ウイルスが残らないよう、日頃から爪を短く切っておくことも効果的です。手洗いの際には、指輪やアクセサリー等を外して指の間、手首を洗うことも忘れずに。


ポイント5:ノロウイルスはどんなウイルス?
ウイルスは、核酸の形状、増殖機構から7つに分類されます。ノロウイルスは、その中の「プラス1本鎖RNAウイルス」に分類され、C型肝炎ウイルス・日本脳炎ウイルス・コロナウイルスと同じ仲間です。RNAウイルスはサイズも小さく、突然変異が多く発生します。これが一度ノロウイルスにかかった年でも、複数回かかることがある理由です。自らの増殖能力が損なわれないような変異が起こることもあるため、ワクチンや治療薬の開発が困難になります。開発に辿り着いても、効果があるウイルスタイプが限定的だったり、耐性株が現れたりとノロウイルス自身が変化する可能性があるのです。



ポイント6:ニタゾキサニドはノロウイルスの治療に使用できるのか
ノロウイルスの治療は、現状対症療法が主です。水分や適度な栄養を取り、体からウイルスが排出されるのを待つしかありません。

しかしニタゾキサニドがノロウイルスの治療に効果があったという報告があります。他疾患や症状を抱えた症例の報告ですが、ニタゾキサニド投与後、便からノロウイルスが除去されたという例です。報告例のように、病気や薬が影響し免疫状態が低下している感染者の場合には、免疫低下を防ぐ必要があります。よって今後ニタゾキサニドが、ノロウイルス治療の選択肢の一つとなる可能性があるのです。さらなる研究が進み、病状や効果の程度、年齢などのエビデンスが揃って安全性と有効性が認められれば、将来治療薬として定着するかもしれません。



ポイント7:そもそもニタゾキサニドとは
そもそもニタゾキサニドは、消化管寄生虫症であるクリプトスポリジウム症の治療薬として米国で承認されました。クリプトスポリジウム症とは牛・豚・犬・猫などで知られていた寄生虫症で、人での感染は1976年に初めて報告されています。外国旅行者や小児、クリプトスポリジウム症治療を行う医療従事者に感染が多く、衛生状態が悪い地域では多く発生する傾向です。

その後ほどなくしてC型肝炎・B型肝炎感染者のALTが下がったという報告から、臨床研究が行われるようになりました。ALTは肝臓のダメージの具合を血液データから知ることができ、肝硬変・肝がんなどの際にも高い値を示すことがあります。

日本でもC型肝炎に対してはニタゾキサニドが導入されており、B型肝炎に対するニタゾキサニドの開発・研究も進められています。C型肝炎もB型肝炎も、ウイルス感染が原因となり肝臓に炎症を起こす病気。ウイルスの増殖を抑えて、ウイルスを除去するという目的では、ノロウイルスと同じベクトルを向いているのです。ニタゾキサニドは寛容性が高い薬剤ですが、副作用として以下の記載があります。
頭痛
吐き気
腹痛
小児や妊婦に対しての詳しい研究はまだこれからという段階です。



ポイント8:ニタゾキサニドの入手方法
ニタゾキサニドは、個人輸入代行サイトでの入手が可能です。
入手する場合には、原則として必要書類を地方厚生局に提出する必要があります。許可されるのは自分で使用する場合に限られており、他人に売ったり譲ったりする行為は認められていません。代行サイトによっては、トラブルが生じた場合、すべて購入者の責任とされる場合もあるため、慎重に検討しましょう。

まとめ
ノロウイルスに感染すると、現状対症療法しかありません。しかしニタゾキサニドがノロウイルスに効果があったという事例があるため、研究が進めば将来的に治療薬の一つとなる可能性を秘めています。感染予防に、石鹸を使った手洗い・うがいを習慣にして冬のウイルスから身を守りましょう。

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